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都市圏のマーケ論が地方で効かない、たったひとつの理由

都市圏のマーケ論が地方で効かない、たったひとつの理由

「ネットの記事に書いてある通りにやったのに、あまり成果が出ないんです」

事業者さまのご支援をしていると、こういった相談をよくいただきます。

SEO、リスティング広告、コンテンツマーケティングなど。勉強熱心な事業者さまほど、セオリー通りに取り組んで、セオリー通りの結果が出ないことに悩んでいます。

様々な事業者さまのご支援を行う中で気づいたのは、手法が間違っているのではなく、もちろん実行力が足りないのでもありません。そもそも前提が違うのだということです。

セオリー通りにやったのに、効かない

以前、県内のある小売店の経営者から相談を受けました。

マーケティングの本を読み込み、リスティング広告を出稿し、ブログでSEO記事も書いた。教科書としては満点の取り組みです。

結果は、広告費が数ヶ月で消え、問い合わせはほぼゼロ。

「うちのやり方の、どこが悪かったんでしょうか」と聞かれて、私は広告の管理画面ではなく、別の画面を開きました。Googleのキーワードプランナーという、「その検索ワードが月に何回検索されているか」がわかるツールです。

たったひとつの理由。「探している人の数」が違う

都市圏で生まれたマーケティングの手法は、ほぼすべてが同じ前提の上に立っています。

「探している人が、大量にいる」という前提です。

母数が何万人もいるから、広告で絞り込み、SEOで順位を競い、ランディングページで比較に勝つ。つまり東京などの大都市圏のマーケティング論とは、大量の検索者の中から自社に合う客を「選別」する技術なのです。

では、岩手などの地方ではどうか。

地場ビジネスの主力カテゴリである「リフォーム」で、実際に調べてみました。

地域名+リフォームの月間平均検索ボリュームと競合性の比較表。岩手・盛岡は100〜1,000回、横浜は1,000〜1万回。競合性は盛岡が中、岩手・横浜が低。県・市を含む検索語では、岩手県と盛岡市が10〜100回・中、横浜市が100〜1,000回・低。
  • 「盛岡 リフォーム」…月間100〜1,000回
  • 「岩手 リフォーム」…月間100〜1,000回
  • 「横浜 リフォーム」…月間1,000〜1万回

注目してほしいのは、県全体で括っても月数百回程度しかないこと。

多めに月500回と見ても、1日あたりわずか16回です。リフォームという単価の高い主力カテゴリですらこの数で、これを県内の業者みんなで取り合っている。人口370万の横浜なら一市だけで10倍の母数がありますが、岩手にはその「絞り込む前の分母」がそもそもないのです。

もうひとつ、表の右端「競合性」を見てください。

検索の母数が10分の1しかない盛岡の方が、広告の競合性は横浜より高い「中」。小さなパイほど、奪い合いは激しいのです。母数が少ない場所で広告費を注ぎ合えば、1件あたりの獲得コストは都会より高くつくことさえあります。

1日16人しか探していない場所で、選別の技術を磨いても、選別する相手がいない。広告もSEOも、道具として悪いのではなく、使う場所の前提が違うのです。

一行で言えば、こうです。岩手を含めた地方は、検索されない。

では、地方の客はどうやって店を選んでいるのか

少ない検索の中身を見ていくと、その大半が「店名検索」です。つまり、すでに知っている店の名前を打ち込んで、場所や営業時間を確認しているだけなのです。

これが意味することは大きい。地方の購買行動は「検索して、比較して、選ぶ」ではなく、「知っていた店に、行く」。

考えてみれば当然です。車で移動する狭い商圏、顔の見える人間関係、口コミといえばネットより先にご近所。この環境で勝つのは、比較で選ばれる店ではなく、「あそこがあったな」と最初に思い出される店です。

必要なのは、選別の技術ではありません。「想起」の技術です。

地方の正解は、順番を入れ替えること

東京などの大都市式の順番(広告を出す→検索される→比較される→来店)を、地方式に入れ替えます。

① まず「調べられたときの顔」を整える。

思い出した人は、店名で検索し、Googleマップを見ます。ここで写真が古い、口コミに返信がない、営業時間が違う。それだけでお客さんの足が止まってしまいます。

GoogleビジネスプロフィールとGoogleの口コミが、地方の店の実質的なホームページです。

② 「思い出される接点」を日常に作る。

SNSや日々の発信は、バズるためではなく、商圏の人の頭の中に残り続けるためのもの。月1回思い出してもらえる店は、必要になった瞬間に選ばれます。

③ 検索広告は「店名検索の受け皿」だけ、最小限に。

探している人が少ない地方で、広い網を張る広告は割に合いません。やるなら、すでに自店を探している人を逃さない範囲だけ。

私は今、この考え方を検証するために、県内のあるサロンで90日間の実験をしています。Googleの口コミまわりを整えるだけで、店の数字がどこまで動くのか。結果は数字ごと公開する予定です。

まとめ

マーケティングの手法は真似できますが、前提は真似することができません。

地方でやるべきは、大量の検索者から選ばれることではなく、狭い商圏で、最初に思い出されること。順番を入れ替えるだけで、同じ道具がまったく違う働き方をします。

自分の商圏で、何から整えるべきか。それを知りたい方は、ぜひ当社にお問い合わせください。

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